【サブカルで学ぶ異文化理解】 レコードを求める外国人、デジタル時代にこそ再発見したいアナログの良さとはのアイキャッチ

【サブカルで学ぶ異文化理解】 レコードを求める外国人、デジタル時代にこそ再発見したいアナログの良さとは

編集スタッフ:Lina
メイト:Ari

外国人が日本に求めるもの。
「食」「四季」「文化」など代表的なものは今も変わりませんが、ここ数年若者の間では「音楽」もその一つのようです。
古着やレコードなどニッチな市場は日本国内での流行にとどまらず、海外からも『サブカルの国』と表現されるほど。
LanCul英会話に所属するドイツ出身のメイト* Ari も、例に漏れずその一人。
*ランカルでは、講師と生徒ではなく、フラットに楽しむ英会話のMC役を親しみ込めてメイトと呼んでいます。

お気に入りのレコードについて取材している中で、彼の人となりやコミュニケーションへの考え方について知ることができました。

 

日本とドイツを繋げてくれたもの

左からRembetiko、 RIDE ON TIME / 山下達郎、Dimond Life / SADE


「今日持ってきてくれたレコードについて教えてください!」


「僕のお気に入りのレコードたちの中でも、とっておきの3枚を今日は持ってきたよ。
一つ一つ思い出があって、これがあってこその今の僕があるんじゃないかな。

 

1枚目はギリシャのアテネの音楽で英語で “Rembetiko”っていうタイトル。
これを聞いていると僕の育ったルーツを感じるんだよ。
毎日の嫌なこととかついてない日とかを忘れさせてくれるのさ。
僕にとってこの音楽を聞くことは、ギリシャへの旅行をしているようなもので、実家を思い出させてくれるんだよ。

 

2枚目は山下達郎のファーストデビューアルバム、 “Ride on Time”。
ある日、いつものようにラジオを聴いていたら彼の曲が流れてきたんだ。
なんと言っても僕は日本の文化や言葉が大好きだから、彼の声や歌い方、歌詞に魅了されちゃったんだよね。
僕が日本を好きになった理由の一つでもあるし、この音楽を通して日本の日常や人々の様子を感じることもできたんだ。

3枚目はイギリスのアーティストSADEのアルバム “Dimond Life”。

This means a lot to me.

80年代イギリスのシティバンド出身なんだけど、このバンドは僕が小さい頃、両親が良く聴いていたからとっても親近感があるんだ。
かつてのLanCul英会話のメンバーさんが、僕の誕生日にバーに連れてってくれたんだけどね、その店ではこの中の曲がかかっていたんだ。

『この曲知ってる!』『え?僕も知ってる!』『これ僕が好きな曲だよ!』『僕も!』ってね。

長いこと聴いていなくて数年前まですっかり忘れていたんだけど、この出来事をきっかけにこのレコードは両親だけじゃなくて彼との思い出にもなっているのさ。
もちろんその日にくれたバースデーカードも一緒にしまっているよ。

This is how we connected.

彼はレコードがつなげてくれた日本で1番の親友さ。」

 

きっかけは祖父との思い出

レコードを見つめながら楽しそうに話してくれるAri。



「どれも私は聞いたことないけど、本当に好きなんだね。
ボタン一つ、声一つで音楽を再生してくれる今の世の中、あえてレコードを選ぶのはどうして?」

I can visually see the music playing and that makes me relaxed and calm.

one point English

 

「なんてったってアナログだからさ。
イヤフォンを通して聞く曲はすごくデジタルで便利かもしれないけど、アナログなものは音を生み出すためにかすれる音も聞くこともできる。
それに、レコードを取り出してプレーヤーに置いて、レコードが回り続けるのを見ているとリラックスできるんだよ。

たとえば暖炉が家にあったら、火をつけて、炊いている音を聞き、炎の動きをただ見つめていたりする時間があるよね。
これってリラックスの時間だと思うんだ。
レコードも同じようだと感じたんだよ。
円盤が回る姿を見つめて、そこから出る音を聞く、円盤に細かく刻まれた溝が僕にその時代や国の世界に連れてってくれるのさ
スマホでのボタン一つで音楽が流れるデジタル世界に比べたら簡単な動作じゃないけど、だからこそ、その物事一つに意識が注げると思うんだ。

そしてより深く追い求めたくなるのかもしれない。

 

人生で初めてレコードを手に取ったのは11歳、僕がドイツにいた頃だよ。
祖父もレコードをよく聞く人だったけど、いつからか地下にしまっていたんだ。
ある日、祖父の手伝いで一緒に地下を片付けていた時にレコードを見つけたのさ。

「これなに?」って尋ねたら「これで音楽を聴けるんだよ。」って。

レコード自体はかなり昔に作られたもので、普通の人は見向きもしないかもしれない。
でも僕には輝いて見えたんだ。
周りの友達は最先端の音楽プレーヤーを持っていたり、最近の流行りの音楽を聞いていたけど、僕はこの大きな円盤が『良い』と思ったんだ。」

 

「好きなものは好き」素直な姿勢が導くものとは

日本の親友にもらったバーステーカードを見つめるAri


「なるほど。
なんだかAriにとってレコードって音楽を聴くためだけじゃなく、何か特別な思いがあるように感じるんだけど、どう?」

「僕にとってレコードはただのレコードじゃなく、日本での様々なコミュニケーションや異文化への出会いをもたらしてくれたものでもあるのさ。
最初に紹介した、山下達郎の音楽もレコードがなければ深く知ることはできなかった。
彼の音楽は日本の歌詞だけど、アメリカにすごく強く影響されてつくられたものだから、日本語の勉強もアメリカの文化を知ることもできたんだ

 

日本の親友のことだってそうさ。
流行っているから、大勢が聞くからっていう理由でレコードを聞くことをやめていたら、本当に大切な友達に出会えなかったかもしれない。
自分の感性を信じ、自分が『良い』と思うものに素直になる、そして追求する先に見つけた繋がりだからこそ、より芯の部分で分かり合えると思うんだ。

日本のサブカルチャーには、そんな時代に逆らいながらも良いものは良いと考える心や個の違い受け入れ合う文化が存在しているような気がするよ。」

 

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これが良い、これが悪い。
そういった選択は、常に自分の中にあるもの。

周りに流されず自分が良いと感じた気持ちを忘れないことが、その先で見つける出会いをより豊かにしてくれるのだと感じました。

私たちの周りに当たり前に溢れているもの。
それは違う目線で見つめることで、本来の価値や今までは見えてこなかった良さを知ることもできますよね。

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外国人目線の日本文化<プレビュー>

ドイツ出身の彼ですが、母国語に加え英語・ギリシャ語・日本語と4ヶ国語を使い分けるマルチリンガルでもあります。
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発音上達法<プレビュー>

 

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